本書はQ&A方式で、「石油はあと40年で本当に枯渇してしまうのか」などの資源や環境問題に関する疑問の検証を試みている。この書き方自体は非常にわかりやすく、全体としては白黒つけ難い問題をうまくまとめていると思う。
しかしながら、本書の検証は偏った印象を与えるものもある。例えば石油資源がなくなるかどうかの議論では、人口増加に伴う消費量増加の議論や、よく紹介されるHubbert曲線による分析を含んでいない。読者としてはこれらの議論がどう扱われるか知りたい。
検証を行うのであれば、まず前提を明らかにした上で、その分析の範囲・限界も定義すれば、偏った検証という印象をもっと避けることができるのではないか。また、その問題に関連した重要な議論を検証に含まないのであれば、含まない理由を示して欲しい。
断定を避ける慎重な結論付けには好感が持てる。
