筆者の真摯なる仕事への姿勢、一生懸命考察し、確実にアウトプットを生み出していく過程が大変プロフェショナルである。1999年より2002年までのカンボジア赴任での識字教育、保育所運営プロジェクト活動の成果を総括するインパクト調査を実際に草案、実施、まとめあげていく第8章に筆者の仕事に対する気合、真摯なる態度が凝縮されている。「内戦を生き抜いた仕事仲間たち」の章に紹介されている筆者の同僚のナラティブにカンボジアが経験した壮絶なる歴史の重み、悲しみ、苦しみが個人の声、体験として届いてくる。
筆者がユニセフ・カンボジア・カントリー・オフィスで従事した同国農村部6州での識字教育、保育園運営プロジェクトの計画、修正、運営、モニタリング、評価と一連の開発プロジェクト・マネジメントの流れをまとめたフィールド・ノートとしても良書。かつカンボジアの農村状況を知る格好の案内書。カンボジア全土に泥だらけになりながら、オートバイででこぼこ田舎道を走ったり、雨で増水した川をボートで越えたり、深い森に入って行ったりと、筆者がカンボジア全土に読者を案内してくれる。登山家でもある筆者のフットワークの軽々しさに徹底した現場主義の姿勢を感じる。
